今回ご登場いただくのは、兵庫県は城崎温泉にある「旅館まつや」(以下、まつや)。城崎温泉とともに300年の歴史を重ねてこられた、まつや15代目当主(代表取締役社長)の守口勝久さんにお話をお聞きしました。
城崎の町並みがこの宿の魅力
「まつや」は城崎温泉「一の湯」近くにたたずむ昔ながらの雰囲気があるお宿です。
守口社長にこの宿ならではの魅力をお尋ねすると、次のように話されました。
「この宿の魅力は城崎の町そのものです。この宿は城崎温泉とともに歴史を重ねてきており、城崎の町があるからこそ、この宿があると感じております。ですので、宿泊されるお客様にも、宿のことよりむしろ城崎温泉の魅力を伝えることができるよう心がけています。」
お客様の気持ちにたった接客を
守口社長が従業員に対して、接客の際に特に心がけるように言っているのが、お客様のお気持ちに立った案内を行うということ。マニュアルばかりの対応ではなく「各地にある温泉地の中から、よく城崎温泉にお越しいただきました。」という気持ちで、親切に、粗相のないように、次もまた城崎温泉に来たいと思っていただけるような、気持ちをこめた接客を心がけるように努めていらっしゃるそうです。
昔ながらの食事スタイル
旅館に泊まる際の楽しみのひとつである料理について、守口社長は次のように話されました。
「料理は手作りにこだわっています。お客様にも『おいしかった』というお声をよくいただき、満足していただいております。また、食事のスタイルは伝統的に部屋で召し上がっていただく形式をとっております。部屋食は従業員のパワーを非常に使い、細やかな対応など多くのスキルが求められますが、従業員の接客レベルの向上にも寄与する部分が大いにあり、出来る限りこのスタイルで頑張っていこうと考えています。」
取材のなかで守口社長が繰り返しおっしゃっていたのが、「お客様に城崎温泉に何度でも来ていただきたい。」ということでした。
「たとえ『まつや』に満足いただけなかったとしても、城崎温泉には他にも多くの素晴らしい旅館があります。また城崎温泉に足を運んでいただき、様々な魅力を発見していただきたいです。」
自分の宿の利益だけを追うのではなく、城崎温泉の町のことを第一に考えていらっしゃるということが、取材を通して伝わってきました。