黒豆の中の黒豆!皮がうすくきめが細かで、もちもちした舌触り
●丹波黒の秘密は篠山の土にあった
篠山でとれる黒豆は「丹波黒」と呼ばれ、大豆の中でも一番の大粒種で、表面に白い粉がふいているのが特徴です。タンパク質、ビタミンも豊富、風味豊かな最高級品として全国に名を知られています。
篠山で黒豆作りに力を注ぐ農家の人は「豆作りは土作り」に尽きるといいます。5月下旬にまかれた豆は苗床から畑へ移され、篠山の土に育てられます。夏に開いた紅紫の花は、しぼんでも落ちずに枝に付いていて、9月上旬にはその場所に小さなサヤが見え始めます。わんわん繁った葉の陰でむくむくと成長するサヤ。その袋の中で、緑色からピンク、紫色を経て球形の黒豆へと育ち、11月下旬に収穫されます。収穫前に葉をむしるのも一株ずつ手作業で、出荷前には一粒、一粒、丁寧に選り分けられます。いかにも手間をかけた豆です。
●白い粉(ろう粉)の謎?
「丹波黒」は脱粒して一日ほど置くと、白い粉(ろう粉)がふいてきます。篠山でとれた豆を篠山の土で育てると、黒い皮の表面に粉がふく「丹波黒」になります。黒豆を育てるには、夏に昼間暑くて、夜涼しい、丹波の気候が適しています。寒暖の差が大きな日々を過ごすうちに実がギュッと引き締まり、きめ細かな肉質になります。さらに、このあたりの盆地に多い霧も一役かっています。
●丹波黒の歴史
黒豆はずっと昔から篠山で作られてきました。江戸時代、篠山藩主・青山忠講が、時の将軍・徳川吉宗に丹波の黒豆を献上したという覚え書きがあります。その豆は大きくて丸く、たいへんよい味であると評判になったといいます。当時、丹波地方では大凶作が続いていましたが、この黒豆を献上したおかげで年貢が免除されたといわれています。以来、黒豆作りが奨励され、丹波の特産として盛んに作られるようになったそうです。
●地元で味わう丹波黒
丹波地方では、冬至に黒豆を食べることから「冬至豆」とも呼ばれています。これは保存のきく豆を夏バテしやすい頃に食べて、タンパク質を補給するためです。黒豆は人々の暮らしにたいへん密着した作物でした。煮汁はのどに大変良いとされます。
やわらかく煮含められた「丹波黒」は、乾燥時のまん丸とは違って、楕円形に、ぷっくりと大きく、つややかな黒に輝いています。コクのあるやさしい甘味。そして薄い皮は、はちきれんばかりに張っているのに、どれ一つとして破れているものがありません。これも「丹波黒」の自慢です。
関連サイト | ぐるり!丹波篠山 |
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